2月25日

藤村春隆さん叙勲祝賀会が開催されました

平成31年2月9日、甲賀市土山町のダイヤモンド滋賀において、藤村春隆さんの叙勲祝賀会が開催されました。
発起人代表の滋賀県茶業会議所会頭 岩永峯一の挨拶を掲載します。
本日、栄えある「旭日単光章」を受章されました藤村春隆氏の叙勲祝賀会が、このように大勢の皆様の御出席を賜り、開催できましたことは誠に喜びに堪えないところであります。
 半世紀に亘り、茶業一筋、高品質茶の生産、地元土山茶の振興、後継者の育成に多大なご貢献を戴きました。このご功績に対し、11月3日、秋の叙勲においてめでたく受章されました。近畿北陸地方の農業関係では3人で、その内の一人が藤村春隆さんということで、心よりお祝い申し上げます。
 今回の栄誉の影には、春隆さんと共に茶業に専念をされ、家庭を守ってこられた奥様の加世子さんのご苦労があればこそで、奥様のご労苦に対しましても敬意を表するものであります。
 藤村春隆さんは、高校卒業後一度は両親の営まれる関連会社に就職をされましたが、昭和43年に地域の茶業に魅せられ自家茶園70アールから就農されました。その後も、規模拡大を目出して計画的に茶園の賃借や新規開墾を行ってこられました。当時まだ少なかった『やぶきた』『おくみどり』『おくゆたか』などの品種を積極的に導入され、品種化率90%を達成し、品種の組み合わせによる効率的な経営基盤を確立されてきました。平成2年には経営面積も2.8ヘクタールまで拡大をされたのであります。
私は、藤村春隆さんの功績は大きく分けて2点あると思っております。
1つは、当時、土山茶、朝宮茶として両産地では高品質茶生産を目出して切磋琢磨されていました。朝宮茶は高級煎茶として宇治の茶問屋等から高い評価をされていました。土山茶は朝宮に比べて、今一歩という状況でありました。そこで奮起をされたのが藤村春隆さんを中心とする土山の茶生産者であったと思っています。それは、今では一つの茶種となっている『かぶせ茶』であります。
二重被覆棚での玉露に近い高級かぶせ茶の栽培に着手をされ、一重・二重被覆、直掛け被覆により地域のかぶせ茶生産の基礎を築いて頂いた所であります。過去、関西茶品評会では《かぶせ茶の部》で農林水産大臣賞を受章されておりますし、全国、関西茶品評会において何回となく入賞をされるなど、生産・製茶技術両面で確固たる地位を築き、その先導的な役割を担って頂いたと思っています。
もう1つは、協業化と後継者の育成であると思います。
土山は、朝宮と比べて比較的平坦な土地が多く、規模を拡大することが容易なことから、いち早く研究に取り組まれ、平成2年には地域の農家5戸10名で【農事組合法人グリーンティ土山】を設立し、栽培面積18ヘクタールから協業経営をスタートされました。
生産から販売まで一貫して行う協業組織は全国でも珍しく、全国から視察に訪れる茶業者も多く注目をされました。
組織的にも厳しい時もあったようでありますが、その局面を努力で乗り切られ、補助事業等でオートメーション製茶プラントを導入され省力化を図られるなど経営基盤を確立されました。
今は、後継者も育ち20代から40代の若者10名が中心となって、『グリーンティ土山』を引き継ぎ、昨年4月からは県下で初めての本格的なてん茶工場を稼働させ、栽培面積も30ヘクタールまで拡大させ、春隆さんの思いは着実に受け継がれてきています。
昨年は、藤村春隆さんの叙勲と共に三重県で開催された関西茶品評会煎茶の部で1等1席から4席まで滋賀県が独占をしました。これは、関西茶品評会71年間で、開催県以外が独占をしたということは初めての快挙でありまして、確実に近江の茶、土山茶、朝宮茶に流れが来ているように感じております。
滋賀県茶業会議所といたしましても、滋賀県、甲賀市、全農、JAこうかのご支援をいただきながら、地域茶業の発展に努力をしたいと考えております。
藤村春隆様のご健勝、ご家族皆様のご繁栄をご祈念申し上げ、発起人を代表しお祝いの言葉といたします。
 本日は誠におめでとうございました。
    発起人代表
     滋賀県茶業会議所
         会頭 岩 永 峯 一

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